よしもとばなな 角川書店
アメリカに暮らし、四十八歳で自殺した高瀬皿男の九十七本の短編集「N・P」。 九十八話目を訳していた風美の恋人庄司も自ら命を絶つ-。
激しい愛が生んだ奇跡を描く傑作長編。
97本の短編が収録された「N・P」。著者・高瀬皿男はアメリカに暮らし、48歳で自殺を遂げている。彼には2人の遺児がいた。 咲、乙彦の二卵性双生児の姉弟。風美は、高校生のときに恋人の庄司と、狂気の光を目にたたえる姉弟とパーティで出会っていた。 そののち、「N・P」未収録の98話目を訳していた庄司もまた自ら命を絶った。その翻訳に関わった3人目の死者だった。5年後、風美は乙彦と再会し、狂信的な「N・P」マニアの存在を知り、いずれ風美の前に姿をあらわすだろうと告げられる。 それは、苛烈な炎が風美をつつんだ瞬間でもあった。
激しい愛が生んだ奇跡を描く、吉本ばななの傑作長編。
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